科学教育



沸騰という現象、水が100度になることがすなわち沸騰だと思っている人はどれくらいいるのでしょう。

もちろん違いますよね。

沸騰とは、例えば水の場合だと水の蒸気圧と大気圧が等しくなった時、水が蒸発する現象を言います。 すなわち温度を徐々に上げていくと、水分子の熱運動が活発になり 分子の結合間が広がり、大気中に飛び出ようとします。しかし、大気圧がその水分子が飛び出そうとする力よりも 大きい場合はその圧力で大気中に飛び出すことはありませんが、更に温度を上げていくと熱運動がより激しくなり、 大気圧でもその飛び出そうとする力を抑えきれない時に蒸発という現象が起こります。

つまり、沸点はその大気圧とちょうど拮抗するときの液体の温度であり、外圧つまり1気圧の時、たまたま100度で 蒸気圧と大気圧が等しくなったにすぎないのです。

これが解れば、山などの高いところに登ったとき、低温で沸騰する現象を何の疑問も持たずに理解できますよね。 気圧が低いのだから、温度が100度に達するまでに蒸気圧=大気圧になるからです。

知っているだけでは意味がない。理解してこそやっと知っていると言うのです。

ついでに、水を沸かした時、沸騰する前に、ポコポコと気泡が出てくると思います。これを沸騰という人がいますが、 間違いです。 温度を上げた結果、もともと液体中に溶けていた種々の気体が追い出されてしまっただけで、沸騰では決してないです。

では、次に飛行機が着陸に向け下降しはじめた際、中でもらったお菓子の袋がしぼんだ様になる現象も(実際、飛行機の内部は気圧調節が されているので、起こりませんが)実は沸騰と似たような説明が可能なんです。

つまり、圧力が低い上空から高い地上におりることで、袋がその圧力に耐えれずにしぼんでしまうのです。 当然、袋が密閉されており、上空でその袋の内圧と外圧が保たれていたとし、それが下降することにより内圧=外圧から、内圧<外圧に なってしまった結果、そのようなことがおこるのです。 これは、圧力と気体の体積は反比例するというボイルシャルルの法則により説明できます。しかし、そんなことは別に法則にするまでもなく 当たり前のことなのです。

その他、水中にナトリウムなどの金属を入れると爆発する。化学をかじった人なら結構有名な話ですが、 これも不思議ではないでしょうか。
なで、水中にナトリウムを放り込むだけで、爆発が生じるのか?
水はH2Oですよね。この水素とナトリウムが置き換わって水中で水素が急に発生したために 爆発が起こっただけの話。この、水素とナトリウムがそんな簡単に置き換わるとかといえば、有機反応ではよくある金属アルコキシドが有名ですが、 説明は省きます。これは大学の学部レベルぐらいの話ですから。
これらの内容は全て中学校レベルで十分理解できる内容で、教科書にもしっかりと記載されています。(今の教科書はしりませんが・・・)
これぐらいのことは、子供に聞かれた時、説明できるよう知っといたほうがいいのではないでしょうか?
まあ、その前にコウノトリ説に続く新たな新説を考えるのが先になるとは思いますけどね。

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